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子どもがウソをつくことに悩んでる人。
だれかのウソに傷ついた人。
自分が絶対正しい!を押し付けがちな人。


そんな思いを抱いている人に
届いてほしい絵本。
(私にも届いて本当に良かった)

エイドリアンはいつもひとりですわってる。机もぐちゃぐちゃだし、ぼんやり考えごとをしてるし、「うちには馬がいるんだよ」ってウソばかり話してる。でも母さんは「どうしてウソってわかるの?」って、わたしに聞くんだ……。自分とは「ちがう」ことを受け入れる子どもの心の葛藤や、想像の豊かさを、詩情あふれる絵と文で描く。                                       岩波書店HPより抜粋

主人公の女の子は、
エイドリアンのウソが
はじめは許せなかった。

けど、お母さんに連れられて
(このお母さんが
説教めいたことを一言も
言わないのがまたいい…)
エイドリアンのもとへ行く。

そこでエイドリアンの境遇を
目の当たりにして、
言葉にできない思いを抱く。

女の子は、
今度は「ウソつき!」とは
言わなかった。

そうしてエイドリアンを
受け入れてみたら、
今まで見えなかった
豊かな世界が見えるようになった。

この絵本の見事なのが、
主人公の女の子が気づいた「豊かな世界」を
読者も一緒に体験できるように
仕掛けられているところ。

うなったーー。
うなっちゃったーー。

良書を絵に書いたような良書です。

受け入れることを拒んで
狭い世界に執着するよりも

そこを乗り越えたことで出会える、
苦しくも神々しい世界が見たい。

読み終えた後、
私はそんな気持ちになりました。

大人のための絵本でもありました。

◇◇◇

この本は友人の翻訳家、
服部雄一郎さんから
ご恵贈いただきました。

このブログでも紹介したことのある

この2冊の翻訳をしています。

高知移住をきっかけに
友人になり早5年。

「エイドリアン…」をきっかけに
絵本翻訳に目覚めたようなので、
今後も良い絵本を紹介してもらうの、
期待しています!

▼服部雄一郎さんのHP